「天才は別として、普通の俳優は、いろんな努力を積み重ねたあげくでなければ、可能性なんてもてないのよ。」
彼女がどうやって、この道を歩んできたのか?
それが分かるエッセイ。
沢村貞子「わたしの脇役人生」を読んだ。
明治生まれ浅草下町育ちの沢村さん。
家庭教師から、新劇女優、そうして映画の脇役女優へ。
自分から進んで脇役女優の道へ。
「華麗な花のスターの動きに従って、うしろや横からほどよく枝を出したり葉を茂らせたり、目立たないように散ったり…そんな芸が簡単に身につくはずはないけれど、いまから少しずつ覚えてゆきたい」
お金や暮らし、食事、結婚観。
色々なことが昔気質で慎ましい。
昭和の高度経済成長で大量消費やモーレツ社員が美徳となる前の美徳。
義理人情や思いやり、もったいない精神。
ふと、自分の近況と照らし合わせてみる。
辛い時、苦しい時に手を差し伸べてくれる人が本当に信用できる人。
今までの人生。何人もの人に馬鹿にされ裏切られてきた。
でも、そんな中でも辛くて苦しい時に手を差し伸べてくれる人がいる。
これからも、そういう人だけを信じよう。
優しくしてくれる人への恩義は忘れずに生きていこう。
義理人情なんて古くなった時代でも昔気質の俳優になりたいものだ。
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#わたしの脇役人生