「私は上手に愛されたかった」
木村美月の企画「汎愛奇譚集」を観た。
短編の分け隔てない愛をテーマにした作品を2作品観た。
その中で『ある不器用な家族の冒険』がお気に入りだった。
弟が大人になっても親離れが出来ずに母親と2人で暮らしている。
そこへ、姉がやってきて、ふとしたことでケンカになる。
複雑な家族で過去のことに縛られながら、それぞれが悩みを抱えている。
そして、母親は幼い頃の自分の思い出に縛られている。
家族の愛の在り方。
親子の優しさの在り方。
一つの家族なのに、それぞれの想いがすれ違い、家族の歯車が複雑になっていく。
姉と弟のケンカの場面。
家族への想い、捉え方、愛され方、そうしたもののすれ違いの葛藤を互いがぶつけ合い、見応えのある舞台だった。